東京で税理士をしている野中敏博と言います。元々はシステムエンジニアだった知識・経験と、開業後に始めたマーケティングを活用して、 毎日経営者の方々と一緒になってこの不況を乗り切ろうと頑張っています。 趣味は旅行で、海外40か国を訪ねています。
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私の地元大分県臼杵市には、平安時代後期から鎌倉時代にかけて彫刻された国宝臼杵石仏があります。
この臼杵石仏は、磨崖仏(岩壁等に刻まれた仏像で移動できない)では、唯一国宝に指定されています。このように国宝に指定されるほどの規模・質を誇りながらも、造営に関する資料等は一切残されておらず、その起源はミステリーに包まれています。
今回は、のどかな風景の中にあるこの石仏をご紹介します。
学業成就や縁結びのご利益を求めて参拝される方も多いので、是非来て下さい。
01.深田の鳥居がお迎えに
臼杵石仏を訪れる方の目に最初に入るのは、深田の鳥居です。
深田とはこの石仏のある場所の地名で、この鳥居は石仏の西側の山上にある日吉神社に関係する鳥居ではと、推測されています。
近くにある臼杵川の度重なる水害により埋もれていった鳥居から、歴史を感じることができます。
02.見事な阿弥陀三尊像がある「ホキ石仏第二群」
石仏公園に入場し坂道を登ると、最初に訪れるのが「ホキ石仏第二群」です。
注)ホキとは、「がけ」という意味の地名です。
ここにある阿弥陀三尊像は落ち着いた顔立ちで、当時の技術の高さを感じます。
その隣にある九品の弥陀像(くぼんのみだぞう)は、残念ながらかなり欠損していますが、中央の一尊だけが座し彩色も残っています。
動画もありますので、ご覧ください。
03.20数体の磨崖仏が並ぶ壮観な「ホキ石仏第一群」
さらに階段を登っていくと、「ホキ石仏第一群」にたどり着きました。
こちらには、「龕(がん)」と呼ばれる仏像を納めるため岩壁を掘りくぼめた場所が4つに分かれています。
1)地蔵十王像
冥府にあって、亡者の罪を裁き救済する十王像が配されています。
古い様式では珍しく、光背の彩色唐草紋も残っています。
2)如来三尊像(第三龕)
中尊に金剛界大日如来を配し、台座には経巻等を納めたであろう円や四角の孔があります。
3)如来三尊像(第二龕)
中尊の阿弥陀如来は静かな顔で、質感あふれる姿が特色です。
4)如来三尊像(第一龕)
中尊の釈迦如来は親しみやすい表情で、全体に素朴な印象を与えます。
振り向くと、山王山石仏が見えてきました。
次は、そちらへ行ってみましょう。
04.童子の様な趣の「山王山石仏」
整備された道を少し登ると、「山王山石仏(さんのうざんせきぶつ)」が見えてきました。
こちらの石仏は、中尊に邪気のない童顔の如来坐像を、その左右にも如来坐像を拝する珍しい形式です。
階段の下から見ても、無邪気の如来像が心を和ませてくれます。
階段を上がると、三体如来坐像を見る事ができました。
確かに、まるで赤ちゃんの寝姿のようなお顔ですね。
ここから振り返ると、先ほどまで居た「ホキ石仏第一群」を見ることができます。
階段を下りて、石仏公園の中から周囲360度を動画に取りました。
公園の様子がわかるので、ご覧ください。
05.端正な顔に神秘的な趣が漂う「古園石仏」
「山王山石仏」から坂道を降り、角を曲がると、「古園石仏(ふるぞのせきぶつ)」が見えてきました。
臼杵石仏で一番有名な大日如来像は、ここにあります。
以前の大日如来像は、仏頭が剥落し台座の上に置かれていました。
ここに、当時の写真があります。
そして、これが台座の上に置かれていた頃の大日如来像の仏頭です。
しかし、国宝指定を機に1994年保存修復され、元の姿に戻りました。
しかし、臼杵市民にとって仏頭が台座の上に置かれて居た状態もなじみがあり、今でも多くのみやげ物が仏頭だけをシンボルとしています。
そして、現在では再び首が繋がった事から「リストラ除け」としても語祈願されています。
こちらが、大日如来像とその周囲の仏像です。
切れ長の目に引き締まった口元が、極めて端正で気品あふれる表情を作り上げています。
こちらでは、古園石仏全体を動画にしましたので、ご覧ください。
振り返ると、のどかな田園風景が広がっています。
(動画でも、ご覧下さい。)
向こうに見えるのは、この臼杵石仏を造ったとも言われる真名長者(まなのちょうじゃ)の像がある満月寺(まんがつじ)です。
では、次に石仏周辺を散策しましょう。
06.石仏周辺の見所にも行ってみましょう!
1)美人になれる「化粧の井戸」
この長者夫婦の愛娘である玉津姫(たまつひめ)の顔にあったイボが、この井戸で顔を洗った事できれいに剥がれたと言われています。
是非、顔を洗ってみませんか。
2)ハスや芝桜の咲き乱れる花畑
臼杵石仏の周辺には、幾つかの花畑があります。
春には、色鮮やかな芝桜が咲き誇ります。
ハスの時期には見事なハスの花が咲きますので、ぜひ来てください。
3)ユーモラスな表情の仁王像
満月寺に近づくと、腰から下が地面に埋まった仁王像が2体あります。
何とも言えないユーモラスな表情が、可愛いですね。
4)満月寺(まんがつじ)
先ほど書きましたように、臼杵石仏を造ったのは真名長者(まなのちょうじゃ)である、という伝説があります。この真名長者の発願により開かれたのが、満月寺です。
このお寺にあるのが、真名長者夫妻の像です。その隣にあるのは、臼杵石仏を掘ったと言われる連城法師像です。
5)ヤマコ臼杵美術博物館
石仏見学を終えた後には、石仏公園の出入り口にあるこの博物館に寄ってみませんか。
臼杵城の大きな模型もあり、大友宗麟の時代を思い起こす事も出来ます。
臼杵石仏とのセットでお得な入場券もありますよ。
(2015年09月)